ラブライブ!楽曲の調性一覧
この記事はラブライブ! Advent Calendar 2017 - Adventarの9日目の記事として公開されました。
昨日はダイヤちゃん推しの azihsoyn さんによる ラブライブ!サンシャイン!!9話が最高という話 - azihsoyn's blog でした。 ラブライブ!サンシャイン!! 1期の8話、そして2期の8話と9話……あまりに最高すぎて私も見るたびに泣いてしまいます。
はじめに
この「調性ラブライブ!」というブログは、去年のアドベントカレンダー をきっかけに作成したもので、ラブライブ!の楽曲を分析した結果をまとめてきました。 実は去年から「楽曲の調性一覧があったらなぁ……毎回耳コピし直したり思い出したりするのが手間だなぁ……」という思いがあったため、少しずつスプレッドシートにまとめていっていました。
調性一覧
ということで、一覧表です。
全128曲1を対象に分析しました。
神パラやBD全巻購入店舗特典CDなどの希少価値の高いものは音源を持っておらず分析できていませんが、それ以外の100曲超は分析できました。ちなみにぷわぷわーおはスクフェスで発狂するほど聴いたのでいける。
調性一覧の使い方
いきなりよくわからない一覧表を見せられても……という方もいらっしゃるかもしれません。
調性には、それぞれ近い・遠いといった「距離」や、音階のもつ音色や有名曲によって付いた「イメージ」があります。この「距離」や「イメージ」を使って、考察したり萌えたりすることができるのです。
去年の記事を読んでいただければ、楽曲の調性からエモみを感じられることがわかるはずです。
学理クラスタ的おすすめ曲
一覧表を提示するだけでは味気ないので、ここで学理(音楽理論)クラスタ的おすすめな曲を3曲ご紹介していきたいと思います。
なわとび
小泉花陽が少しずつ、確実に成長していく様子を描いた尊い楽曲。 変ホ長調から始まり、サビでホ長調に、そしてラスサビではヘ長調に転調。歌詞に合わせて 半音ずつ調が上がっていきます。
花陽ちゃんの『ありがとう』の思いで成長(転調)していく、優しい性格が現れていて尊みを感じます。
ぷわぷわーお
狂気を感じる楽曲。 イントロ〜Aメロ・Bメロまで変ト長調なのに、サビでいきなりハ長調に転調。
調の距離を示す尺度に「五度圏」2というのがあり、これが近いほど調性の距離が近く、転調しやすいとされています。 この距離が一番遠い調に、準備もなしにさらっと移動してしまうところがこの曲の狂気を端的に表しているように思えます。
(CD持ってないんですが後半はもっと転調してる予感がします。CDほしい……)
私たちは未来の花
調性分析してみたら凄いことになってました。これは名曲ですね。
転調の様子を分析してみると以下のような感じでした。
- 歌い出しからイントロへの転調(嬰ト短調→ロ短調)
- AメロからBメロへの転調(ロ短調→嬰ヘ短調)
- 五度上、属調への転調
- ※五度圏では隣の調で、♯が一つ増えます
- 五度上、属調への転調
- Bメロからサビへの転調(嬰ヘ短調→ヘ短調)
- サビからサビ後半への転調(ヘ短調→変ロ短調)
- 四度上(= 五度下)で、下属調への転調
- ※五度圏では隣の調で、♭が一つ増えます
- 四度上(= 五度下)で、下属調への転調
サビへの転調以外は関係調3 (隣の調)への転調になっており、いつの間にか転調していた、というような演出になっています。
勇気を出してそれぞれの道へ旅立つ少女を歌う歌詞と同様に、楽曲の調性も移り変わっていきます。
おわりに
一覧をまとめている際に、以下のことに気づきました。
- 「僕らのLIVE 君とのLIFE」はヘ長調から始まる曲ですが、「さようならへさよなら」のラスサビもヘ長調なんですよね。エモさやばくないですか???
- 「なわとび」と同じような流れではありますが、「僕らのLIVE 君とのLIFE」のサビは変ホ長調、「僕らは今のなかで」はホ長調、「それは僕たちの奇跡」はヘ長調、というのも恣意的な何かを感じます。
以前まではラブライブ!を象徴する調はホ長調だと思っていた4のですが、この一覧を作成したことによって別の可能性も感じられるようになりました。 知識の棚卸しを行うことで新たな気づきを得られる、というのはよいものですね。
ラブライブ!サンシャイン!!楽曲の調性一覧表については、TVアニメ2期の放送終了後、年明けくらいのタイミングで公開したいなぁと思っています。 決勝の曲の調性が何になるのか、目が離せません!
明日の担当は @daishi_902 さん です。よろしくお願いします!
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ラブライブ!サンシャイン!!主要楽曲の調性とその意味について - 調性ラブライブ! の「さいごに」の段落↩